キリリクU

□reconfirmation
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「reconfirmation 」







荒れ果てた土地
三蔵はただそこに立ち尽くしていた。
恋人が消えた場所で。

(三蔵…!!)
闇に取り込まれそうで、手を伸ばす。
三蔵はその手を取ろうと腕を伸ばすが闇の支配者は妙な動きで三蔵の腕を止めた。
(ぐっ…あっ)
痛みで手が一瞬止まる。
そんな三蔵を見て不敵に笑う。
その一瞬で悟浄は闇に飲み込まれて、消えてしまった。
(あぁ…大丈夫、君たちの記憶には沙悟浄は存在している。…ちょっと借りるだけだよ。実験材料としてだけどね)
その闇の支配者は子供のように無邪気に笑う。

攻撃により折れたであろう手を治しもせずずっと立つ。
三蔵はあののばされた腕を取れなかったのを悔やんだ。
あの闇の中で悟浄はずっと待ってる。
いまもずっとあの男に、実験材料にされている。
何をされているのかわからない。
あの男に一度だけ存在を消されそうになった。
その時も手を取って闇から抜け出せれたのも悟空達だった。
形はどうであれ絆を感じたのもあのときがはじめてだった。
今度は自分が悟浄に絆を教える番だ。


八戒と悟空が待つ場所に三蔵が歩いていきジープに乗りこむ。
「悟浄を探す」
「探すあてはあるんですか?」
「気配は感じる。…ただどこかを転々としてるから」
意識をはりつめればうっすらと感じる悟浄の妖気。
隣でいつも感じていた気なのだから間違えるはずがない。
絶対な確信。
八戒は三蔵の瞳を見て笑うとジープを出発させた。
「三蔵の治療のほうが先かもしれませんねぇ」
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