頂き物

□相互リンク
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たどり着いた宿屋で取れたのは、ツインが2部屋。

いつものように三蔵・悟浄と、八戒・悟空に別れて部屋分けはスムーズに終わる。

2・3日滞在する事を三蔵と八戒が決めれば、あとは基本的に別行動だ。

三蔵が先に部屋の中に入り、その後に悟浄が続いた。

いつもなら此処で荷物を置いて風呂に行ったりと自由行動になる事が多いのだが

荷物を置いて振り返った三蔵を見て、悟浄は出発までをこの部屋で過ごす覚悟を決めた。

(三蔵が欲しい。)

そう思ったら身体は勝手に動いていた。

三蔵に抱きついて、唇を奪う。

舌を絡める深いのじゃなくて、啄ばむようなバードキス。

最初は驚いていた三蔵もすぐにその戯れに付き合ってくれた。

二人はじゃれあいながら、どさりとベッドの上に倒れこむ。

「なぁ、三蔵。今日はずっと居られるんだろ?」

仰向けの悟浄が三蔵の首に両腕を絡ませて艶やかに微笑んだ。

至近距離でとろりと蕩ける紅玉に、三蔵のオスが刺激される。

「ああ。嫌だと言っても離れてやらねぇからな。」

覚悟しとけよと耳朶を甘噛みしながら囁いてやれば

腕の中のしなやかな肢体がびくりと震える。

それは恐怖ではなく期待からだと熟知している三蔵は、くっと唇端を持ち上げた。

「淫乱。」

「それがイイ癖に。」

笑いながら見詰め合う紫暗と紅玉。

そして、そっと二人の唇が重なった。

end
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