頂き物

□慟哭
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「悟浄、お前の厭らしい後孔がうまそうに玩具をくわえてるぞ?丸見えだ」
「はぁ…はっ…いや、見な、でぇ……」
「いいのか?見て欲しいんだろ?」

膝から手を離し、腰から腹筋へと手の平を滑らせていく三蔵。

「っ…ぁ……」
「これだけで感じるんだもんな?」
「さん、ぞ……焦らさな、いで…」

涙目で訴える悟浄。

「―――焦らさないで?」

這っていた手が、固くシコる胸の突起を容赦なく摘む。

「っいやぁああ!」
「何を勘違いしてる?俺達は恋人じゃない。甘い駆け引きなんか必要ない」
「はっ、ごめっ…なさぁ、あっ、んやぁ……」

ビクビクと震える悟浄。

「ちっ。いいぜ。望み通り犯してやるよ」
「ひっ――んあぁあぁぁっっ!!」

突然三蔵が、悟浄の秘部に刺さる玩具を思い切り引き抜いた。

中を擦る感覚に、悟浄はまたも達してしまう。

「へばってんじゃねぇ。お楽しみはこれからだろうが」
「はー、はっ……っっぐぁ、ああぁっ、いやっ、やあああぁぁっ!」

再び勃ち上がった三蔵の怒張が、悟浄の緩んだ秘部を犯す。

「優しくされたいか?それとも……」
「ひぐっ!」

ぐっと腰を押し進め、悟浄の最奥を突き上げる。

「激しく、犯されたいか?」



優しくしてくれたことなんか、ないくせに。



「はっ、はぁ、んっ…お、ねがいっ……激しく、犯して…くださいぃ……」
「悟浄……」

三蔵は悟浄の腰を掴んで激しく腰を振り始めた。
それに合わせて悟浄も腰を揺らす。

「ひっ、いっ、んぁ、あ、ぁ、ぁ、ふぅぅ、ぅっ…」

揺さぶられながら、悟浄の瞳から涙がこぼれる。

生理的なものなのか、心の慟哭が流したものなのかは、悟浄にもわからない。

ただ、わかるのは、



悟浄は、義兄である三蔵が、好きだという事。



そして、三蔵はこれっぽっちも悟浄を愛していないのだという事。



それだけ。

「はぁ、くそっ……もっと締めろ、悟浄っ」
「あぁっ、あっ、いいっ、はっ…っもっとぉ…」

何度も、何度も、最奥を抉られ、突かれ、またも絶頂が近付く。

「っ、またくるぅ!くひっ、あぁあんっ、さ、さんぞ…っさんぞぉっ…」



好き好き好き好き



「っぅ……ご、じょ―――!!」
「あっ、あ!あアああァあァっっ!!!」



一緒に果てるこの瞬間が好き。


三蔵の熱が身体の中を犯すこの感覚が好き。


ドロドロに溶けて、白濁した世界に思考を委ねられる、この一瞬が、好き。



「っは……はぁ…っ」
「はー、はぁー、っん…はぁ…」

ドサリと、三蔵が悟浄の上に覆い被さるように倒れ込む。

「さん、ぞ……」

名前を呼んで、顔を上げた三蔵の唇に、己のそれを重ねようと近付ける。

「やめろ」

だが、触れる直前に放たれた支配者の声に、身体が疎み、止まる。

「キスなんて必要ない。甘い行為なんてするな」

ズルリ……。

「あんっ…っ…」

引き抜かれた三蔵自身に、悟浄が微かに喘いだ。

「仕事が残っていた。戻る」
「っ、義兄さん……」
「事後処理はしておけよ。夜またするんだからな」
「…………」
「シーツも代えておけ」
「まっ……三蔵!」

バタン!

「…………」

閉められた扉。
次に開くのは、悟浄を抱く時だ。

「……好きだよ、三蔵…」

どんなに拒絶されても、酷くされても、想いは変わらない。
募るばかりだ。

「好き……」



何でもするよ。
アンタの心の空白を埋められるのが、俺とのこの行為だっていうなら、構わない。



好き好き好き好き好き好き。



狂おしいほど、アナタが。






















愚かな義弟。



お前の慟哭する姿が見たい。



歪んだ愛を、お前はいつまで受け入れられる?



いつ、お前にこの想いを伝えられる?



家族でなんて居たくない。



好きだ、愛してる。






end.
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