キリリクU

□cold
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「…」
悟浄は自分の体温の高さに舌打ちをした。
実は数日前から寒気を感じていた。
現在自分たちがいる場所が寒いところで本当によかったと胸をなでおろす。
体調管理は自分の勤めがモットーな彼らだから一人が不調になってしまったら足止めは確実だ。
そんなことはできない、なによりこのたびのリーダーは足止めは厳禁の様な男だ。
身に何かあれば少々の悪態は突くものの看病に関してはノータッチ。

の、はず。

だが何の運命だが悟浄と三蔵は恋人同士に旅の途中からなったのだ。
なにを言われるかわからないし、手を患わせたくない。

「cold」

「へっくしゅ」
ジープの上で悟空が隣でくしゃみをした。
「おめー風邪ひいたら絶対言えよ、この間みたいに4人全員でなんてまっぴらだからな。」
風邪をひいて4人仲好く宿でお粥を啜ったのは数日前の記憶。
喉風邪、鼻風邪、熱風邪、胃腸風邪。
あのときの苦痛と言ったら思い出すのも恐ろしい。
「お前だってトイレにこもりっぱなしでよー!!」
今は笑い話かもしれないがそれぞれの旅の思い出としてはワースト3に入る出来事の一つだろう。
「うっせぇーな///」
ぎゃいぎゃい喧嘩をしていると上から妖気を感じた。
「お客さんじゃん」
「相手してあげないと、あちらさんも手ぶらでは帰れないでしょうし…」
「完全歩合制だから成果を出さないと給料ももらえないんだぜ」
「死んだら歩合制もねぇだろう」
銃のトリガーを引いた。
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