小説3

□PURE CHERRY 第一章
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「ねぇ、イザークはディアッカとどうなの?」


「ぶはっ…。ごほっごほっ…」

「だ、大丈夫?慌てて飲むから」


「ごほっ…お、お前が変な事言うからだろ」

「僕、おかしな事言ったかな?」

「・・・言った。いいか、どうもお前は誤解しているようだから言っておくが・・・。俺と、ディアッカはそういう関係じゃない」


「え?そうなの?ごめん。僕、てっきり…」


イザークとディアッカはとても、仲が良くて、僕とアスランみたいな関係に見えたから…。

二人は、恋人同士で付き合ってるのだと思ってた。


「でも、ディアッカの方は…イザークの事好きだと思うけどな。」

「…俺の詮索はともかく、だ」


 ごほんと、一つ咳をして話題を変えようとするイザ―ク。その顔は、ほんのり赤く染まっている。

 何だかんだ言っても、それなりにはディアッカを気にしているらしい。

 そこを彼に突っ込んで、ディアッカとの関係の真実を聞き出したいとは思うけど・・・。

今は、自分の相談に精一杯なので、大人しく話を聞く事にした。


「アスランとの関係を変えたいというのなら、悩んでないで思い切って抱かれてみればどうだ?」

「・・・そんな簡単に言わないでよ。それが、できたらこんなに悩んでいない。」


そう、最初からそんな簡単に受け入れる事ができるなら、どんなによかったか。


「…でも、やっぱりそろそろそういう事を受け入れていかないと駄目なのかな。」

「急がなくていいとは思うが…これからも付き合っていくというのなら、いずれは覚悟せねばならんな」

「それは、僕も理解しているよ。でも、僕…怖くて。アスランのこと大好きなんだけど、それとこれとは別で。」



彼を好きだという気持ちに間違いはないし…僕だってもっとアスランと触合いたいという気持ちが無い訳ではない。

しかし、それを受け入れている自分を想像すると、恥かしさの余り心臓が止まりそうだった。


「でもこのまま拒み続けてたら、アスランだって困るよね。どうしよう、嫌われちゃったりしたら…」


 僕、生きていけないよ・・・と、情けない声で呟いた。


「それだけは、絶対にないから安心しろ」

「そうかなぁ」

「あいつは、お前が好きだからこそ我慢してるんだろうからな」


「え?」

 今、何かいった?

 うまく聞き取れなかったけど。

もう一回言ってと、イザークに頼もうかと思った、その時。


良く見知った深いアルトの声が後ろから響いてきた。


「キラっ!」


この声は、僕の恋人・アスランのもの。

名を呼ばれて、知らずに胸がときめいてしまう。


「お前の王子様が呼んでるぞ、キラ」

「もう、アスランたらあんなに大声で…。」


 ここ、屋上だから響くのに。

僕たちの他に人がいないからいいけど、あんまり大きな声で人の名前を連呼しないで欲しい。


「キラ!」

「今行くよ、アスラン!」


慌てて、昼食を片づけると立ち上がる。

隣のイザークは、やれやれといった表情で僕を見た。


「ごめんね、イザーク。」

「まあ、精々頑張れよ。何もしてやれんが、相談には乗ってやる」


「ありがとう、またね」
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