短篇&キリリク
□RED CROSS
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ずっとずっと
君を、君だけを・・・見つめていた。
幼い頃から、優しい夜明けのような君が大好きだった。
いつも僕を甘やかしてくれて、側にいてくれて・・・。
戦争が終わって、色んなものを失った僕。
帰るところも、守りたかった少女も、穏やかな場所も、全部僕の手から零れていった。
それでも、僕が正気を失わずにいられたのは彼が側にいてくれたから。
アスラン・ザラ。
幼馴染で、親友で誰よりも大切な彼。
君がいてくれたから、今まで僕はやってこれた。
君が辛いとき、悲しいとき、嬉しいとき・・・共に笑い、泣いてくれた。
ただ、それだけのそれだけの事がどれだけ嬉しかったか。君は、知らないんだろうね。
ねえ、アスラン。君が好きだよ。
そのエメラルドの瞳も、夜色の髪も、優しい声もみんな、すべて。
苦しいほど君を思うよ。切ないけど甘い想く、何よりも強く、君だけを。
僕には君が必要なんだ。
君がいないと僕は何もできない・・・。
心が寒い、ぽっかりと穴があいたみたいに。
このあふれるくらいの気持ち。
いつか君に伝えられたらいい。
そう思っていた。
けど・・・。
まさか、この淡い恋心が彼に伝える前に砕けることになるなんて・・・。
しかも、一番大切な肉親である彼女に・・・。
**
「え、今なんて・・・」
「何度も言わせるなよっ。恥ずかしいだろ。」
「私、アスランが好きなんだ。」
その言葉を聞いたとき、頭をガツンと打たれたような衝撃を受けた。
分かってはいた。
彼女がアスランに惹かれていることは。
「あいつさ、真面目で誠実で・・・優しくてイイ奴だよな。けど、どこか抜けてることあるし。なんかこう、側にいて支えてやりたいなって思うんだ」
頬を赤く染めながら恥らうように言う彼女。
いつもは、男勝りなカガリもアスランを語るその表情は、とても女の子らしくて。
恋する女の子の顔だ。
「側にいるだけで心が温かくなるって言うか・・・。こういうのを恋っていうのかな。なあ、キラ」
「え、あ・・・そう・・・だね」
「私さ、恋なんてするの初めてで。どうしたらいいのか分からないんだ。」
「だから、協力してくれるだろ?キラ」
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