小説3
□PURE CHERRY 四章 【中篇】
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「キラ、俺はお前のこと好きだよ」
「僕も、アスランが好き…」
思う気持ちは君と同じ。
アスランが好きだし君に恋するこの想いは、誰より強いと自分でも思うくらい。
「じゃあ、俺の事どれくらい好き?」
「ど、どれくらいって言われても…」
そんなこと、どう表現していいか分からないから戸惑う。
「俺は、お前の全てが…欲しいくらい、好き」
「え・・・」
真剣な瞳で告げられる告白。
エメラルドの澄んだ輝きが、静かに熱を帯びていた。
「昨日の事、俺は決して軽はずみでやったんじゃないんだ。ずっと、お前にもっと触れたいって思ってた。それが、昨日…ついに我慢できなくなって」
そっと耳元に唇が寄せられて、鼓膜に直接彼の低い音が響いていく。
「両想いになって、キラと付き合えているだけで幸せなはずなのに…。一緒に、笑って寂しいときは隣にいてくれて、苦しいときも共に…それだけで、満足だと。満足するべきだと分かっていても」
切ない、何かに飢えた顔でアスランは僕を見つめた。
それに引き寄せられるかのように、そっと僕は続きを促す。
「でも、俺はそれだけじゃ足りない。もっと、もっとキラを知りたい。触れたい、俺だけのモノにしたい」
「アス…ラン…」
「キラ、お前が欲しい」
強い想いがこもった求愛。
前に僕が自分勝手に拒んだことに、すごくショックを受けているはずの彼が、まだ僕を望んでくれている。
その気持ちが、くすぐったいくらい切実で真剣なものだと伝わってくるから。
その言葉に、僕の全てをアスランにあげてもいいと思った。
「――――いい…よ」
覚悟を決めて、ぽつりと呟く。
「ほんとに?」
「うん」
「意味、ちゃんと分かっているのか?」
「僕もね、色々…考えてたんだ。君とのこと…。お互いが、大好きなもの同士がずっと側にいたらどうしたって、もっと相手の事が知りたくなるのが普通だってイザークが言ってた」
「キラ…」
「そりゃ、こういうことするの始めてだし、どうしていいか分からないし…怖いけど、でも…」
恐怖より、君を欲する気持ちの方を大事にしたい。
――――――だから…。