小説3

□PURE CHERRY プロローグ
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好きって不思議だ。

ドキドキしたり、切なくなったり、胸が痛くなったり。

甘酸っぱい果物のような、この感情。

この感情に名前をつけるとしたら、それは…。



 

     +CHERRY PINK+




・プロローグ・ (今までのあらすじ)



 幼い頃に出会い、お互い惹かれあった僕たち。

 けど、僕の父さんの転勤の所為で離れ離れになることになった。

別れを惜しむ僕に、アスランは優しくこう言ってくれた。


約束だよ?大きくなったらこの場所でまた会おうね


彼と初めて会った桜の木の前で、もう一度。

場所を決めておけば、絶対再会できそうな気がするだろ?と彼が提案し、僕もそれに同意した。

彼と別れた後も、その約束だけを胸に、寂しさを紛らわせ頑張ってきた。

 月日が流れ、高校生になった僕は、約束通り桜の木のある学校に入学した。

彼と、再び会える事を信じて。


 だけど、再会した彼は僕のことを覚えていなかった。

それに、激しく落ち込んだ僕だけど、イザークのアドバイスで前向きに考える事にした。

 その後、ちょっとしたハプニングで、再び友達になった僕とアスラン。

僕は彼に自分の事を知られるのが怖くて、桜色の帽子をかぶり顔を隠しながらも、交友を深めていった。

幼い頃と同じではないけれど、再び気づいた絆。

 でもそれも、そう長くは続かなかった。


 優しい関係を破ったのは、アスランのこんな一言。


『お前が好きだ』


真剣に告げられた告白。

僕もずっと彼に思いを寄せていたから、それはすごく嬉しいものだった。


 けど…僕のことを、思い出してもいないのにそんな勝手なことをいう彼の気持ちを疑ってしまう。

結局、僕の感情は爆発し、優しい関係は破局してしまった。


その後、僕は彼の前から姿を消したけど、アスランは僕を探し、お互い自分の意見をぶつけある僕たち。

すれ違うばかりで、何も進展しないもどかしさ…。

そんな時、彼がいきなり倒れ…幼い頃の事を思い出した。

そうして、蘇る記憶と、解ける誤解。

 彼も僕を思ってくれていて、僕を忘れていたのはアスランが自分を守るための自己防衛だったということが分かった。


すれ違っていた想いが、ようやく通じ合う。


 僕とアスランは、もうずっと離れないという約束を、始めて出会った桜の木のある場所で誓い合った。

 そうして、恋人関係になった僕たち。

今は、何の障害もなくラブラブな学園生活を満喫している。


 ……………はずだった。


 両思いになったからって、何もかも上手くいくほど世の中はそんなに甘くない。


 問題が解消されたらされたらで、また新しい問題が出てくる。人生とは、そんなものだ。

最近できた僕の悩み。


―――――それは。


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