小説 1

□Puple Olion 第一章(1-7)
1ページ/7ページ

・1・ さよならの終わり (キラ)



オーブにあるアスランの自室。

ベットの絹の海で僕は快楽に溺れている。


「ん…、っあ…アス…ラン…もっ…」


愛しい彼の腕の中、僕は快感に溺れながらうわ言のように訴えた。

そうすると、掠れた甘い声で彼の人が囁き返して来る。


「・・・辛い?」


気遣うようなアスランの声が甘く掠れて耳に響いた。

 それさえも今の僕には快感でしかなくて、ぶるりと身を振るわせる。


「…違う、よ…。辛くなんか・・・。」


「だろうな。だってキラのココ・・・嬉しそうに俺を飲み込んでいるんだから辛いわけないよな?」


 と、官能的な声で囁かれ意識が飛びそうになる。


「気持ちいいだろう?」


 ぺろりと首筋を舐められて、思わず声が上がった。


「ぁ・・・・・・」


「キラ、どうして欲しい?」


 感じるところで歯を突きつけられて、熱が全体を駆け巡った。

感触がダイレクトに身体に響くのに、待ち望む開放は得られなくて。

もう結構な時間、彼と繋がっているけれど、もどかしい動きはなかなか絶頂へと導いてくれない。


「言わないと分からない。どうして欲しい?」


 どうやら彼は僕を焦らして自分から求めさせようとしているらしかった。

彼の意図を察して、素直にアスランの望む言葉を口に出してやる。


「もっと…アスランが欲しい…」


快感で途切れる声がもどかしい…。

羞恥心や、自我なんか全て捨てて強張れば、アスランは微笑みを浮かべて


「いいよ、キラ。…おまえの望むままに」


近付いて来た唇をうっとり浮かべながら瞳を閉じた。



―――そう、もっと僕を強く強く抱いて。


現実なんて、霞んでしまうくらいに…。

せめて別れたときにそのぬくもりだけでも思い出せるよう
に。



だって、これは一時の夢にすぎないのだから






次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ