小説 1

□Puple Olion プロローグ
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・プロローグ・


――― 戦火の終わりは、これまでの犠牲を思えば、実にあっけないものだった。

終わりを迎えた大きな転機は、ザフトと地球軍のトップが激しい戦いの末、共に失脚したことだった。

その影響で指導者を失った軍は、残った下の者の勝手な判断で破壊や攻撃を繰り返し・・・戦いはいっそう激しさを増したかに見えた。

しかし、武器や大きな力は、判断を誤れば自らを滅ばす諸刃の力となって返って来る。

地球軍もザフトも、がむしゃらに攻撃した結果、付いていけなくなった者たちが反乱をおこした。
それが、自然と分解を引き起こし、軍事力がお互いに保持しきれなくなったのだ。

歴史上、1番大きかった戦争の結末がこれでは、何か虚しさが付きまとう。

けれどこれでコーディーターとナチュラル、地球軍とザフトをる闘いは、一応の決着を得たことになる。

仮初めでも、戦いのない世界になったのだ。

二度に渡る戦争は、一体僕らに何をもたらしたのか。

一度ならず二度の闘いの果てに、生き残ってしまった僕に意味はあるのか。

散った命、残された悲しみ

たくさんの人間が混迷するのかで、夢見た世界。
それが、たくさんの犠牲を経て、ようやく叶ったはずなのに、身を焼く焦燥感は消えることはない。

これまで、数え切れないひとの命を奪い、希望を奪い、平穏を奪い…そうして、何もかも分からぬまま、流されてきた自分。

僕自身もたくさんのものを失った。

優しくしてくれた友達、救いたかった少女、平凡な日常…。

護れなくて、守れなくて…壊してきて…。
それでも最後に僕が手にしたもの。



――――それは、何よりも大切な僕の暁の光。


もしも、神さまがいるとしたら、お願いです。

彼の分の罪は僕が被るから

だから、どうか


彼だけは、僕の分まで幸せに。




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