ささやかなことば
□幸せロマン
1ページ/5ページ
副長(マヨ)ロマン
「土方さーん」
「…なんだ」
「天気いい日に、お部屋にこもって書類とにらめっこ?仏頂面してますよー」
「お前は何しに来てんだ。早く手伝え」
あぁくそ。マジで天気いいな、今日は。
俺の日課になってしまった書類処理は天気が良かろうと悪かろうと行われる。デスクワークが出来ないこの集団の中で俺以外使える奴と言ったら、コイツしかいない。
けれど、ノー天気というか楽観的な性格のお前は、どんだけ書類が溜まってるか分かってない。いや分かってんだろうがマイペースなんだ。…それはお前らしいと思うが…
さすがに、俺のように徹夜しろとまで言わない、が…
手伝いに呼んだら、日の当たる縁側に紙を広げて日向ぼっこーとか言いながら作業しやがる。
頼むからもう少し真面目にやってくれ。
「言っておきますが、ちゃんとやってますからねー。ほら、先週の書類終わりました」
「…俺、声に出したか…?」
「いえ、そんな顔してたんで」
……どんな顔だ。全く。
「土方さんは真面目すぎますよー。もっと肩の力を抜いて、のんびりやればいいですのに」
「簡単に言うな。お偉いさんがお待ちかねなんだよ。それでなくとも此処は問題児が多くて目ェ付けられてんだ」
「うっわ誰ですかねー?」
「…おめぇも含んでんだよ」
「あらー?まあ細かい事は気にせずに!次の書類はどれですか?」
…相変わらずだ、お前と言う奴は。そんな所がお前のいい所だけど。
あぁマジで天気がいい。
こんな日は、書類処理なんて仕事を止めて誰かと外をゆっくり散歩なんぞしてみたいもんだ。
そうだな、お前が隣にいれば楽しいだろうな。