ささやかなことば

□過去拍手B
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シルバーろまん




毎朝、起きる時に聞こえるのはお前の声。
長閑な雀の鳴き声を聞きながら静かで少し高めの声が、俺を夢から覚ます。

朝ご飯のいい匂いとすぐそこに感じるお前の香りが、心地良く嗅覚を刺激する。


「銀ちゃん起きて。朝ご飯出来てるよ」


ガラリと襖を開けて、俺の眠る布団の横に座り、身を屈めて耳元で囁く。

そんなお前が愛おしくてたまらないから。


「っわ」


ぐいっと、細い腕を引き寄せれば、驚いたような瞳をして一瞬遅れて真っ赤に顔を染めるお前を間近に見る。


「おはよー」

「ちょ、何するの!はなっーー」

逃げようとするお前の腕を封じて、開いた口に優しく接吻すれば、更に赤くなって停止するお前。


「可愛いーなー」


なんて言ったら、パシンと軽く頭を叩かれて。


「調子に乗らないの!朝ご飯先に食べちゃうよ!」


そう言って部屋を出て行く。でも俺が起きるのを待っていつも一緒に朝飯を食べてくれる。



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