立海大附属中

□指とその先。
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小さく声が聞こえた。

仁王だ。

いつもと様子が違う。なんだか懺悔でもしているような。

「ヒロの指は綺麗じゃ」

「穢れが無か」

「…いつか、俺を」

「…繋ぎ止める、言葉を知らん」

「…愛しとうよ…」

そしてまた、仁王は柳生に唇を落とす。

柳生は微笑むだけ。

ただ一言だけ。

「…アナタだけのためにある、指なのですよ」

2人にしか解らない会話。

でも神聖な儀式でも観ているかのような感覚。




ピアノは未だ、美しく奏でられている。

終。
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