立海大附属中
□キャンディ。
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誕生日一週間前。
教室で仁王くんから綺麗な水色の小瓶を戴いた。
「…これは」
「…キャンディ―じゃな」
「いえ、私が伺いたいのはそうゆうことでなく」
「…あぁ。誕生日プレゼントってやつかの」
まだ一週間前。もしかして日にちを間違えているとか。この場合どうしたら…。
「…ありがとうございます」
「今日から、毎日1つずつ食べんしゃい。俺はコレにお前さんへの気持ちを全て込めた。これは『謎解き』じゃ柳生。…一週間後に『答え合わせ』しようかの」
それきり、その話は終わった。
『…一週間をかけて誕生日プレゼント、ですか』
水色の瓶の中、色々な形をした飴が紙に包まれていた。試験管に似た形のそれは、一列に並んだ個体を煌めかしている。
『謎解き…ですか』
まるで自分の気持ちを確かめられているようだった。
私には『本当に好きなら、すぐに解けるはず』と見えぬプレッシャーをかけられたようだった。