立海大附属中

□匂い(28ver.)
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「…授業前には起こします」

「ん…、髪を梳いてくれよるとえぇんじゃが」

「……………」

それでもやっぱり、最後には優しい手が俺の髪を梳く。

嬉しなって、髪を梳いとる柳生の右手を俺の口元に。

手の甲に、唇を。

「…お休みんしゃい、比呂」

「…………えぇ」

緊張したように体が堅くなった比呂。

微かに香は石けんの匂い。

幸せのなか、俺は惰眠を貪った。

終。
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