立海大附属中
□傷の手当て。
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もうダメだ、我慢の限界だ。
切原は思いきりドアを開けた。
「…ってさっきっから部室で何してんスか!」
「なんじゃ赤也。盗み聞きが趣味とは、その歳でえげつないのぉ」
「違…!部室にみんな入れなかったんスよ、ホラ」
切原の後ろに、丸井・ジャッカル・柳が見えた。
「…みんなして、何してたんじゃ?」
「何って…妖しい会話聞いてたら、普通入れないだろぃ」
と丸井。
「丸井…諦めろ。仁王に常識は無い」
とジャッカル。
「…寧ろ、誤解を招くように聞かせたかった確率100%」
と柳。
「なんのことかの、参謀」
口元に笑みを浮かべている仁王。
「…俺としては構わないが、あまり度が過ぎると柳生に嫌われるぞ」
「それは困るのぉ…気をつけて『傷の手当て』をせねば…」
仁王の笑み。
それは紛れもなく、妖艶なものだった。