小説:あなたに、逢いたい…


□【第10章】10月1日
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「ねぇ篤郎、雪はまた来年も降るんだよ。その時篤郎はどこにいるの?
ねぇ篤郎、雪は溶けても、水になっても、また雪になるんだよ。
篤郎の雪だるま溶けちゃったよ。
私には篤郎の雪だるまは作れない。篤郎がいなきゃ意味無いよ。篤郎、ねぇ戻ってきて…」
私は冷凍庫の前で溶けた雪だるまを何度も手ですくった。
一滴一滴が篤郎に見えて仕方がなかったから。
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