夢空間

出逢えた記念
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……記憶が連なる
過去は覚えていても、詳細までは思い出せない



その記憶があっても、いつかなんて……覚えていない

人の記憶なんて曖昧……
楽しかった、辛かった、そんな強い感情だけが支配して……
自分の都合の良いことだけ記憶している



過去なんて、いつかはなかった事になるかもしれない
でも、誰かが覚えているかもしれない



記憶は皆繋がっているから
関わった時点でその人とは繋がるものだから……

関わるから記念日なんて作るのでしょう?



忘れたくないから……
縛り付けておきたいから……


そのまま、次の未来を作り出す予告のように……
記念日……私と貴方の間にも存在するのでしょうか?











































「よっ、ジェイド」



ジェイドの執務室……
そこにノックもしないで入る皇帝が一人……

そして皇帝ピオニーはジェイドに語りかける



だが、ジェイドはピオニーの方を振り向きもせず……黙々と机に向かい資料の整理をしている


構ってもらえない……
そんな衝動がピオニーをかり立てた




「おい、可愛くないジェイド……返事くらいしろよな?」



黙々と資料整理しているジェイドにピオニーは少しムッとしたように言う
その言葉にジェイドは溜息をつき、ピオニーを見た



「私が仕事中だというのにお構いなしですね陛下……
それより陛下此処は避難所ではありませんよ?」




ピオニーを見てジェイドはニッコリと答える
だが、ニッコリと微笑むその裏には皮肉めいた言い方をしている
それに気付かないピオニーではない


ピオニーはジェイドを見て何か言い返してやろうと考えていた
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