何でも小説
□銀魂より『江戸末期〜攘夷編〜』
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ー負傷ー
「皆さん、これだけは忘れないようにして下さいね。
"天下に一人の天下"
人民の中で上下をつけてはならない。この世には一人の天下が居ればいいのです。そして私たち人民は天下に、決して逆らおうとしてはなりません。その天下を信じ尽くし、精を入れられる人こそ誇れる武士なのです…」
意識が確かになってきた所為かその優しげに脳内に響く声がだんだん薄れてきた。
と同時に何らかの声が頭に響き始める。
《…あぁそうか俺は戦闘中に倒れて……それにしてもうるせェ…誰だ…俺を呼ぶのは…》
意識が定かになるにつれてその声が明らかになる。
「…ぎ…杉……高杉ィ!!!」
その声は必死で男を呼ぶ声であった。
「ッ…ハァハァ……っるせーんだよ…人が苦しんでる横でギャーギャー騒ぐんじゃねェ…ッ。」
息が荒いものの、意識を取り戻した。意識が戻るや否や、心配そうに見守っていてくれていた同士にキツイ言葉を一発かます。だがそれに応じず、その言葉を聞いて安心した表情を浮かべる同士。
「んなに口が達者なら大丈夫そうだな…。」
銀髪の同士はほっとし横に座り込む。
「心配ご無用だぜ?例え体がバラバラになろうが俺の魂は死なねーさ。幽霊になってでも祟り殺しに舞い戻って来らァ。」
その男は辛いのをまるで表情に見せないばかりか、にやつきながらそのセリフをサラリと言いまでする根性ある持ち主だ。
全くおっかない。
銀髪の同士はそれを聞いて嫌気をさしたらしく、対抗するように一言。
「おっかねぇなぁ。テメェが仲間で良かった良かった。今後、敵に回さねーようにしないとなぁ〜御臨終御臨終ッ。」
その言葉にまたもや反撃する男。と、2人の会話のやり取りが続く。
「ククッ…喧嘩うってるようにしか聞こえねーなァ
少しは病人労ってくれや。」
「何々。心配してほしいの?いや〜きずかなくてわりぃわりぃッ
で、どうしてほしいわけ?」
「此処から立ち去れや。さっきからうるせェんだ、テメェはッ。」
「…ッ………。」
呆気なく黙り込む銀髪の同士。勝ち誇った様子の男だが、様態はあまり宜しいとは言えない。会話をしているうちにに顔がうっすら青めいてきている。それにきずいた銀髪の同士は
「煤c高杉……んとに大丈夫なのかよ?;」
と言い、男がもっとも負傷している目に手を添え心配そうに見つめた。
流石の男も痛かったらしく、その手を払いのける。
「触れんなや…。」