小説

□ハニーハニーラヴァーズ
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ナルトに手渡された袋を肩に掛けて、木の葉の森の中心である里へと向かいながら、サスケはゆっくりと回想する。
――この春に、ようやく…望んでいて、ずっと欲しくて仕方のなかったモノを手に入れた。
可愛くて、綺麗な…自分だけの金色狐。
それから5ヶ月余り…相変わらず、一緒に居る。同居人だった金色狐――ナルトは自分の恋人になって、もっともっと可愛くなって綺麗になった。
サスケ自身が、素直に受け入れられる様になったという事も手伝っているのか、ナルトは正直に甘えて来る事が多くなっている。
それが嬉しいと思う。
――ただ、最近、少しだけ悩んでいる事が一つ。
今はまだ良いのだが…秋が過ぎて冬が始まる頃――時期を同じくして『狼』の発情期が始まる。
その時には…ナルトの、狐の発情期は無い。
春は互いのソレが重なったから、丁度良かったが…というか、その為にちょっとこじれて、でも結果的にはすごく嬉しい事になったのだけれども。
『どうすれば…どうしたら良いんだろうな』



春の発情期の後…二人の関係は清かった――なんて事は無いっ!!
そりゃ、はっきり言って長い事、ずっーとずっーとナルトを想っていたサスケは、サカリの時期など一切関係無く、三日間続いたまさしく獣のごとくだった、交尾のあの後…。
ナルトの体調(腰痛)が良くなった途端――その白い細身の身体をすぐベッドに押し倒していた。
「サ…スケっ?」
突然の行為に驚いたのか、揺れている蒼珠の瞳。それに籠められていた問いも、簡単に無視して。
サスケはナルトの唇を奪ってしまう。
普段、照れながら軽いスキンシップの様に、繰り返されていたキスにようやく慣れて来たナルト。
それと思ったのか、サスケを受け入れる。
が、深く貪る様に激しく求められて――揺れていた蒼珠からころんと、涙が一粒、頬に流れ落ちた。
深く絡め取っていた舌を解放し、サスケの舌は何の躊躇いも無く、その涙の跡を追い掛ける。
呼吸を整える為に、はふはふと短く喘ぐナルトの声を、甘く耳にして。
「好きだ…」と囁く。



サスケの真実。素直な気持ち、そして想い――。頬を赤く染めたナルトが、それでも嬉しそうに、本当に綺麗に微笑んで。
サスケのクモの糸よりも細い理性なんかを――いとも容易く、ブチ切った。
「抱きたい。お前を感じさせろよ…」
甘く熱く、更に囁いて。一瞬で、もっと赤く染まったナルトの頬に音を立ててキスして。
返答を待たずに、ナルトが身に付けていたシャツのボタンを外し、左右に広げてしまう。
「わっ…わっ!!」
わたわたと、ナルトがそんなサスケの無体な手を遮ろうとするが、そんなたわいも無い防御など…目的を持っている狼の前では、何の役にも立たなかった。
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