小説

□金色の恋心
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床へと落ちていた毛布を拾い上げ、白い裸身を包んでやった。まだ薄く赤い頬に残っている涙の跡。それにそっと舌を寄せ、拭う様に舐め上げる。
「ん…っ」
くすぐったそうに…小さく声がこぼれて、顔の傍らに付いていた俺の手にすりっと寄って来た。
そんな仕草が堪らなく可愛くって…。自分でも顔が赤くなって行くのが分かる。毛布の隙間から覗く白い裸体に散る赤い花びら。
それを咲かせたのが俺だと…まだ、どこかで信じられなくて。
でも確かに、今、俺の側で寝息をたてているのはナルトで。ひどく充実した想いと、裸のナルト。そして裸の俺。そして…ナルトの肌に散った一杯のキスマーク。
「俺…抱いたんだな」
自分で呟いた言葉に、益々赤くなる。
―どうしよう。
正直、今、俺が思っているのはコレだった。
今までどんなオンナを抱いたってこんな気持ちにはなれなかった。
愛おしくって、堪らなく可愛くって。もうずっと手離したくなくって、抱き締めていたくって。
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