ラビリンスの花園

□1+2=3?
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ナルトは憤っていた。
一体、どの位憤っているかというと――。
先日、その憤っている原因を思いながら、大切に育てていたツルバラの剪定作業をしてしまい、勢い余って(?)せっかく付いた蕾を全て剪定して――気が付いた時には、ツルバラはものの見事な坊主と化していて。
ナルトは泣くに泣けない思いをしてしまった。



何もかも――自分が憤っているのも。
大切なツルバラが坊主になってしまったのも。
何もかも。全部――



『サスケの所為だってばよっ!!』
ベッドの上に置かれたクッションに、ボスボスと八つ当たりしながら。
ナルトはそう思う。





あの日――有り得ない状況下でもって、サスケとその…いわゆる『行為』を交わしてしまった事。
ナルトの憤りの『原因』はソレだった。
最初の内はもう本当に嫌…というよりも、その異常とも思える行為に、恐怖を覚え、泣いて「止めろ」と懇願したの…だが――。
結局、最終的には…流されてしまったと思う。
今、思い返しても――どういう訳か、あの時の記憶は妙に鮮明で――。
恥ずかしいやら情けないやら…で、ナルトの心境は色々、様々に複雑なのだが。
それでも最後には、何時ものごとく『うちはサスケ』に丸め込まれてしまったと…思った。
『大体…何時も何時もそうだってばよっ!サスケが何やらかしたって…オレってば!!』
更にクッションに対する八つ当たりが強くなる。


全ての元凶というべき、あのポルノ系グラビア雑誌は、サスケから聞き出した先輩の元へと、速攻送り返した。
それが原因となって、その先輩が同棲中の彼女とケンカになろうが…別れてしまおうが――そんな事、ナルトは知ったこっちゃない。
あんなモノが手元に有ると思うだけで――自分の精神安定的には、全くよろしくないからだ。



そんな自分を見て、ニヤニヤと笑っていただけのサスケを思い出すと。
ナルトは更に深く、激しく憤ってしまう。



『もーっ!悔しいってば!!どうにかして、サスケをぎゃふんって言わせてやりたいってばっ!!』
ナルトの中では――過去、様々に自分がサスケにいたされてしまった事が山のように蓄積されていた。
『復讐するは我にあり』――ナルトの今の心情はそれのみ。
どうにかしてサスケに一糸報いる方法はないかと…必死で考えを巡らせている最中である。
幸いと言うべきか否か――今現在、サスケは任務中で木の葉の里を離れていた。何やかんやと準備するには…都合が良さそうで。



『サスケをどうにかするのって――何が一番効くってばよ?』
あの鉄面皮の感情無し男を、ぎゃふんと言わせる方法――ナルトはサスケが里を離れた二日前から、本当にただひたすら…そればかりを考え続けているのだ。
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