小説
□七夕
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side銀
「京に出張が決まった…」
「…はい?」
7月6日。
俺はトシからそんな事をいきなり言われた。
「え、どんだけそっちにいるの?」
「……わかんねぇ。もしかしたらずっとそっちにいるかも…」
「無理!!無理無理!!そんなに長い期間トシと離れるなんて出来ません!!」
「んな事言われても…」
まさかそんなに長い期間だとは思わなかった。
しかも下手すると一生離れたまま…
しかし俺もそんなにガキじゃない。
トシの困った顔を見て諦めた。
「休みとか、とれるの?」
「ん?あぁ…それくらいは。ただ、貰えても1年に一回とかだな…」
「そう…」
2人から会話が消える。
「じゃーさ、明日みんなでぱーっと集まろうや。七夕だし、な?」
しばらくして俺がそう提案するとトシは柔らかく微笑んでくれた。
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