小説
□片思い
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「土方さん。そろそろ見回りの時間ですぜィ?」
「は?今日はお前が担当の日だろ?」
「………じゃ、よろしくお願いしまさァ」
「シカトか、オイィィィ!!」
仕方ないので渋々見回りに出かける。
俺は総悟に甘いかも知れない…
ここ最近、非番の日を総悟に潰されている気がする。
近藤さんもあいつに甘いからな。
ただ、嬉しいこともある。
…なんていうか、その…
銀髪を見つけると、
動悸がする。
最初は病気かと思った。
山崎に聞いたら、これは『恋』らしい。
認めたくねーけど…
俺は万事屋に『恋』をしているらしい。
見回りも毎日楽しみで仕方がない。
その日も同じように見回りに出かけた。煙草をくわえ、腰には愛刀。
「よし、今日も異常なし。」
屯所へ戻ろうと、再び歩き出す。その途中、銀髪頭を見つけた。
「あ…」
まだ遠くにいるはずなのに動悸がする。
なんでこんなに緊張してんだ、俺…
声を掛けようと銀髪がいる方に歩みを進める。
今日はなんて声をかけよう。
そんなこと考えながら近づいていく。
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