本棚...
□0-ZERO-
2ページ/5ページ
1-FREEDOM-
僕のまわりは真っ黒だ。
自分の姿も見えない。
「コレか?」
誰かの声がする。
「はやくしろ。時間がないんだよ」
ほかにもいろんな声が聞こえる。どれも聞き慣れた声だった。
「よいしょっと…」
僕のしていた目隠しが外されたがそこは暗い部屋だ…。さっきと風景があまり変わっていない。
自分の部屋じゃない。
「飲め」
渡されたのはいつものアレ。手に取ると、小さい、軽いはずなのに、ひどく重く感じる。
僕は水も使わずアレを呑み込む。
体に流れていく感じが気持ち悪い。
「あ゙ッ……」
途端に苦しみを感じてきた。僕の周りの人は全く僕の苦しみなんか気にしていなかった。
どっちかっていうと、
「もっと苦しめッ!!」
「苦しんでいるところが一番いいよなぁ!」
とか、僕が苦しむところを喜んでいる。