★無重力感覚讀物★
2008.9
《二色の地球》
空と炎はいつだって
丸め込まれたひとつの球体。
あたしの激情が飛び火して
あなたを生んだ。
水を抱いたの。
あたしの内核があなたに覆われて
まとわりつく青のもっと奥の景色は
対流する朱の塊。
こんなにも
もう
あたしは不埒で
隠しているけれども
消えないの。
どうしようもない炎なの。
あなたを震わせ
突き破る。
あたしが割ってしまった海の狭間に
大地の黄金を捧げるわ。
上 昇 気 流 。
やがて吐息が風と吹く。
あなたはあたしに雲の姿で
答えるの。
嵐をおこして
何度でも
答えるの。
魅せて欲しいわ。
パラレル
進む。
一緒に。
その先の貌へ。
まだ熱い。
どうしたらいいの。
あなたの青の膜は
朱の混沌の情を
秘密にした。
あたしを隠して。
魅せて欲しいわ。
パラレル
此処から見てる。
着床したばかりの惑星。
懲りずにあなたは
何度でも
ほら!
もう一度
もう一度…!
水を抱いて大津波。
世界は繰り返す。
「その頃、地球は青かった」
さいとうみさ
《二色の地球》