親友争奪戦

□仲直りなう。
1ページ/1ページ


はー。やりたいことはやった。満足。とスッキリした気持ちで部室のソファーに寝転んだ。

あの女生徒達の処分はあいつ等に任せた。私が成敗してやってもよかったけど、一応あの子等には色々お仕置き与えてあるし、自分達のファンぐらい制御できなくて何がキングかって話よね!







ガラッ

「奈緒ッ!」



突然ドアが開き、私の名前を呼ぶ声が響いた。ああ、この声。私が一番好きな声だ。この声で名前を呼ばれるのが、昔から大好きだ。


「雫…。」

振り返ると、息を切らした雫。
久しぶりに目が合った。って言ってもたった一日ぶりなんだけどね!だけど、もう何日も合ってない気がした。


「あの、ね。私…その。奈緒のこと、嫌いになったわけじゃないんだよ!むしろ…、だい、大好きで。奈緒は、こんな私と、いつも、一緒にいて、くれて。私がイジメられても、いつも、助けてくれて!」


入って来た時はまだ流れていなかった涙も、とめどなく流れて、顔がぐちゃぐちゃだ。私はハンカチを雫の顔に押し付けた。


「わかった。わかったよ。雫に嫌われたわけじゃなくてよかった。私こそ、こんな変なことしてごめんね。あいつ等どーも許せなくて。」


「奈緒のこと、嫌いに、なるわけ、ないよぉ〜あれ、嬉しかった、し、私の方こそ、ごめんね、あり、がと。大好きだよぉ〜」


「うん。私も雫大好き!」

あーヤバイ。昨日は何とか堪えた涙も、もう駄目だ。決壊だよ。私こんなキャラじゃないのになぁ…。









お互いが落ち着いた後、改めて話を聞くと。雫が私から離れたのはやっぱり私の安全の為で、けどそれはあの女達に言われたわけじゃなく自分で考えての行動だったらしい。いつも助けられてばかりだから、今回は自分で解決して、私に報告したかったって。ほんとおバカで可愛くていい子だな 。

やっぱりこんな子あの軟弱どものとこに一人で置いておけないよ。














「と、言うわけで今日からマネージャーとなった菊池奈緒です。
ぶっちゃけマネージャーじゃなくて雫のボディガードだから。雫泣かせたらそいつは即、虚圏行きだから。しっかり覚えといてね!よろしく。」


「よろしくじゃねぇぇえぇえ!!!何でてめぇがマネージャーなんだよ!俺様は許可した覚えはねぇ!!」


「許可なら榊先生に頂いたし。誰もあんたの世話なんかしないから安心して。私はレギュラー以外を見るから。てかこの人数を雫一人に任せてたってどんだけなの。これもある意味イジメだよ。」


「あーん。雫は元々レギュラー専用マネだ。まぁ雫は優しいから他の部員の世話までやってくれてたがな。」


「は、何それ。じゃあ雫が気を効かせてくれなかったら準レギュや平の子達のマネージャーはなし?余計ふざけんな。これだから弱肉強食な部活は嫌なのよ。雫の優しさに感謝しなさい!」






「なんやえらいことになってもーたな…。」

「激ダサだな。」

「下剋上だ…。」

「楽しくなりそうですね!」

「クソクソあいつ怖ぇんだよ!」

「ウス…。」

「zZZ………」










余談だが、あの女生徒達は停学処分となったが、何故かどの子の家も親の会社のお得意先が契約を解除していき、只今存続の危機だとか。

ちなみにその得意先は菊池グループと言う名前だったりなかったり……。




.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ