親友争奪戦

□宣誓布告なう。
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私はテニス部へと走った。

もう部活終了時刻になっていて、大会前でないテニス部も、例に漏れず部活を終わらせている。よって今彼奴らはテニス部部室。雫は一人だけ女子なので、わざわざ校舎にある更衣室を使っているから当分来ない。

今こそ鬱憤を晴らす時!

もう面倒臭いとか言ってられない。私の雫を取り返す為なら、例え火の中水の中草の中森の中土の中雪の中彼奴らの部室の中さ!!



バンッ!!!


「邪魔するよ!」

何処の女番長だと自分にツッコミたくなったが、今は気にしない。

突然の女の登場により、呆然としていたテニス部レギュラー陣。なんて間抜け面。だが、何とか自力で覚醒したらしい。


「お前ダレだよ!勝手に入ってくんなよな!クソクソ。」

「なんやファンの子かいな?部室まで入って来るんは非常識やで。」

一番最初に口を開いたのはオカッパ、てめぇが糞だ。続いて何とも不快な間違いを言ってのけた眼鏡。最早名前で呼ぶのさえ胸糞が悪い。


「てめぇ誰の許可を得てここに入ってんだ。あーん?」

こいつの喋り方がいつに無く不愉快に感じる。


「私の許可の下入ってる。そして不愉快な間違いすんな眼鏡が!誰がテメェ等のファンだよ。吐き気がする!んでもって非常識なのはテメェ等だ!!」

「なっ!?」

さすがに女にこんなこと言われたことないのか、あの俺様跡部様が驚愕している。ざまぁ!


「私は雫の大!親友!の菊池奈緒。あんた等のせいで、非常に不愉快だ!!」

「てめぇみてぇな奴が雫の親友だと?ハッありえねぇな!」

「あんた等が雫の友達だということの方がありえないわ。てゆーか、あんた等本当に雫の友達なの?雫があんた等のせいで大変だってのに、のうのうとテニスやっちゃってさ!それで友達なんてわらっちゃうね。」


「どういうことだ…。」


「やっぱりなーんにも知らないのね。雫はね、あんた等のせいでイジメにあってんのよ。まぁ雫は優しい子だから、あんた等にバレないようにしてたんでしょうけどね。」


「なん…だ、と?」

「雫先輩がイジメに…?」

「嘘だろ…」


「嘘言ってどうすんのよ。てか、今回はこれを言いに来た訳じゃないわ。私はあんた等にこの苛立ちをぶつけにきたの!」

「苛立ちってなんやねん。俺等嬢ちゃんに何やしたか?」

したか?だって…?


「したわ!大いにね!!今まで私は雫といつも一緒で、部活だって協力しながら頑張ってたのに!あんた等がいきなり現れて、私から雫を取ったのよ!休み時間だけならまだしもお昼や放課後まで…。いつも一緒にいたのに、あんた等が雫を連れてって、じゃあ私は!?あんた等は仲間が増えたとか思えるでしょうが、雫を取られた私は一人でいいって言うの!?確かに他にも友達はいるわ。いや、いたわ。あんた等が雫と仲良くしだして、みんな雫から離れていったわ。私も離れないと仲間外れって言われたけど、あの子たちよりも雫の方が大切だから、絶対雫から離れなかったわ。イジメにあってもね!なのに…なのに雫は…。私よりあんた等を取ったのよ…。雫と仲良くしてたら私はイジメられる。それを知った雫は、私がイジメられないように私から離れたわ。雫があんた等から離れたらいい話しなのに。私よりあんた等を選んだ…。悔しいわ!雫のことを考えてないあんた等を選ぶなんて!マネージャーだって反ば無理矢理やらせて。今までいなかったんだから本当は必要ないんでしょ?一年にやらせれば済むようなものなんでしょ?なのに新聞部を辞めさせてまで入れて。雫が他の女の子たちからどう思われるか分かった上での行動なら、本当笑っちゃう。」

「…だから俺様直々に全校生徒の前で釘を刺しただろ。」

「ハッほんと笑える。あんなので守れると思ってんの?あんた等女のイジメがどんなに卑劣で怖いかわかってんの?所詮あんた等は男だものね。女の怖さを知らないのよ。だから、もうあんた等には頼らない。いや、元から一切頼ってないけど。雫は私が守るわ。」


よし、言いたいことも言ったし、いい加減目尻に溜まった水が決壊しそうだから、そろそろ退散しよう!
あ、けどその前にもう一言。

「イケメン絶滅しろッ!!!!」

私は来た時同様、激しい音をたてて扉を閉めた。


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