親友争奪戦

□叩きのめすなう。
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やっぱり何事も証拠を掴むべし。これ基本よね。伊達に推理漫画読んでないわ。
じっちゃんはいつも一つ!

ってことで次の日、朝5時に学校に着いた。早起きが苦手な私だが、雫のことに関してはそんなの朝飯前だ!朝ごはんはバッチリ食べて来たが。

下駄箱に行くとさすがにまだ何ともなかった。下駄箱に何かされると決まった訳じゃないけど、私の感がビンビン働いている。
とりあえず物陰に隠れて30分。どうやら私のあらゆる感は当たっていたみたいだ。
女生徒が3人。キャッキャウフフしながら雫の下駄箱前で何やらしている。私はそれを、部室から拝借してきた一眼レフで激写。音?音なんてどーにでもなるもんなのよ!
女生徒たちが立ち去った後、私は速やかに生ゴミでぐちゃぐちゃになった上靴を袋に入れ、本物の雫の上靴を下駄箱に入れた。ぐちゃぐちゃになったのは私が昔使っていた上靴、つまりダミー。予めすり替えてたのさ!汚されるとわかっていてそのままにしとく馬鹿はいないよね。

さて、片付いたら次は教室だ。
ウチのクラスが見える向かいの特別教室にスタンバイ。ほーら馬鹿な夏の虫がやって来た。

雫の机に落書きやら花やら何ともお約束なイジメをしている。それ等も一眼レフで激写。誰の机かはなるべくわかんないように、やってることと、やってる子の顔をしっかり撮る。ずいぶん慣れた感じだけど、もう何回かやってる?私いつもSHLギリギリで来てたから知らなかったわ。ほんと私も馬鹿。

これだけ撮れればOK。現像しに早く部室へ!終わったら机を片付けに行かないと!








朝練を終えて校舎に入ると、校舎内がどことなく騒がしい。音源の素を探すと、どうやら昇降口前に設置されている掲示板のようだ。


「おい、てめぇ等どけ!何事だ!」

俺様の一言でザッと道があき、レギュラーを引き連れて掲示板前まで来る。

「何だこれは…?」

そこには何とも醜い顔で、イジメと思われる行為をしている女生徒の写真が飾られていた。
横にはこの女生徒等と思われる者の名前と"虐め、駄目、絶対"の文字。よく周りを見渡すと、これ等と同じものが階段や教室にまで貼られている。


「なぁ跡部。まさかこれってあの嬢ちゃんが…」

みなまで言わずとも、皆分かっていた。本当にやりやがったと思うと同時に、本当にイジメが起こっていたのかと、愕然とした。


「何よこれ!?どういうことよ!?」

突然の女の金切り声に目を向けると、そこには写真を睨む女生徒達の姿。どいつもこの写真に写っている奴等だ。そういえばこいつ等…確かいつも部活中に一際煩くしていたやる等じゃねぇか。

たく、やるだけやって後は放置かあいつ…。後片付けくらいは俺等でしろ…ってことか。


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