ガンダム00 パラレル長編

□ミキシング・ディスティニー 第二話
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これでもかという、大きさの豪邸。
その一室で・・・クロイツの声が、聞こえてきた。


「・・・疑似GN粒子の、後遺症?」






ミキシング・ディスティニー 第二話





少年―――クロイツの目が見開く。
再生治療を頼まれた医師が、小さく頷いてみせた。


「はい・・・この方の傷は、
疑似太陽炉搭載型MSによる物だと思われます。」
「それだと何か、困るんですか?」


女性・・・クロイツの義姉が、不思議そうに聞いてきた。
医師に向けていた視線をゆっくりと、義姉に向ける。

その表情は、どことなく呆れているように見えた。


「義姉さん。義父さんが言っていたじゃないか。
疑似GNドライブの粒子を浴びた場合、細胞障害を起こす、って。
その変異のせいで、再生治療は・・・出来ないんですよね?」


クロイツの言葉に、医師が再度頷いた。
義姉は驚いて、治療カプセルの中の男を見る。


「じゃあ・・・彼は、どうなるんですか?」
「再生治療が行えない以上、右目の再生は不可能です。
その他の傷は、何とか完治させられると思います。」
「そん・・・な・・・。」
「申し訳ございません、ルビアーナ様・・・。」


クロイツの義姉・・・ルビアーナは、椅子に座り込んだ。
クロイツの方は、真剣な表情でそれを見つめている。

医師の方に顔を向け、頭を下げるクロイツ。


「分かりました、ドクター。右目以外の治療をお願いします。」
「クロイツ様・・・分かりました。
・・・三週間ほどで、完治すると思われます。」
「ありがとう・・・行こう?義姉さん。」
「ん・・・うん。」


ルビアーナを支えるように、クロイツが寄り添う。
危なっかしい足取りで、ルビアーナ達は病室から出て行った。




























「・・・クロイツ。」
「仕方ないよ、義姉さん。」
「まだ、何も言ってないでしょ?」


再生治療が行えなかったことに対する、
苛立ちだと考えてクロイツは、不思議そうに言葉を返す。

しかし、どうやら違ったらしい。
ルビアーナの言葉を無視するわけにもいかず、
しっかりとルビアーナの方に顔を向けた。


「・・・何?」
「あの人・・・貴方は、何処の所属だと思う?」


ルビアーナの言葉に、クロイツは目を丸くする。


言っては悪いが、クロイツから見て
何処かルビアーナは、平和ボケしているように思えた。

セレスティア家の長女という立場から、いつも擁護されていたからだろう。

その彼女が、今何と言っただろう?
あの男が・・・何処の所属?おそらく軍の事に決まっている。
・・・多少嬉しい気持ちはさておき、
考えるように中空を見つめて・・・クロイツは笑う。


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