図書
□Busy hour
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わざわざ騰蛇の言葉を遮って言ったのが。
「馬刺?」
「ああ」
「無いぞ、そんなの」
「…そうか」
指を口元に持っていき考える素振りをみせる。
「買ってこい。騰蛇」
「何で俺が…」
「ほぅ。お前は女の私に夜遅くに外に出ろと?」
面白そうに、だが、反論を許さないといった感じで告げた。
「なら諦めろよ」
「………仕方無いか」
ため息と共に吐き出された言葉。
「明日、買い物のついでに頼んだぞ」
最後の一口を飲み終わり、自室に帰って行く。
「って明日も飲む気か?!」
居間に響く虚しい声に返る艶やかな声はない。
End.