図書
□逆転
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「なんであける…」
眉間に皺を寄せている騰蛇を抱き上げ、居間にいる晴明の元へ行く。
「晴明!騰蛇が…っ!」
「おぉ勾陣やっと気が付いたか」
「こう!はなせ」
片腕で軽々抱き上げられていた騰蛇が暴れる。
「あ、ああ…悪い」
そっと降ろしてやると気まずそうに晴明の後ろに隠れた。
「のぅ勾陣、わしはちと出かけて来るのでな紅蓮を頼んだぞ」
「は…?」
「ちなみに六合も連れていくのでな」
それでは勾陣と騰蛇の二人しか家に残らないではないか。
というかそうしたのだ。晴明が。
「せいめい…」
「勾陣の言うことを訊くんじゃよ紅蓮」
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