図書
□試合
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体育館の入口、人垣から離れた場所に一人の女性。
どうやらこの女性は、テニスをしていた様だ。
ウィンドブレーカーから少しテニスウェアが覗いている。
「勾、来てたのか」
「ああ」
まるでそれが当然の事の様に、勾陣の首に掛かっていたタオルを取った。
「最後の見てたか?」
勾陣から取り上げたタオルで汗を拭く。
「ダンクだろ?見ていたよ」
どうやら勾陣も騰蛇がタオルを取ることを知っていたらしい。
「お前勝ったか?」
「私を誰だと思っている。負けるわけがない」
「だな」
周りにいる観衆の事は、この二人全く気にしていないらしい。
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