書音

□ほのかな熱で心を動かせ
2ページ/8ページ


◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「宴会?」


突然のことで私は思わず晴明に聞き返した。


「うむ。昨日、あっちの仕事の依頼人がお礼にといい酒をかなりの量くれてのぉ。明日は休みじゃし、今日は皆帰ってくる予定じゃから、今日飲むことになった。」


晴明は満足気にそう言った。

…あっちの仕事と言えば陰陽系か。きっと上等な酒だろう。


「…わかった。」

「ちなみに皆人型じゃぞ。」

「Σなっ!?」

「たまにはお前らも酔え。それでではよろしく。ふぉっふぉっふぉっふぉっ♪」


実に楽しそうに笑いながら晴明はその場を去って行った。


「…酔わせたいだけだな、晴明は。」


でなければ、あの嬉しそうでさらに企んでいそうな表情の説明がつかない。


そこでふと、朝の占いの言葉が頭に浮かんだ。



『いつもとは違う行動をしてみたらいいことあるかもよ!』



「……これはいい機会かもしれない。」



たった今思い付いたことに、思わずニヤッと笑ってしまったのが自分でもわかった。




.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ