書音
□ほのかな熱で心を動かせ
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「宴会?」
突然のことで私は思わず晴明に聞き返した。
「うむ。昨日、あっちの仕事の依頼人がお礼にといい酒をかなりの量くれてのぉ。明日は休みじゃし、今日は皆帰ってくる予定じゃから、今日飲むことになった。」
晴明は満足気にそう言った。
…あっちの仕事と言えば陰陽系か。きっと上等な酒だろう。
「…わかった。」
「ちなみに皆人型じゃぞ。」
「Σなっ!?」
「たまにはお前らも酔え。それでではよろしく。ふぉっふぉっふぉっふぉっ♪」
実に楽しそうに笑いながら晴明はその場を去って行った。
「…酔わせたいだけだな、晴明は。」
でなければ、あの嬉しそうでさらに企んでいそうな表情の説明がつかない。
そこでふと、朝の占いの言葉が頭に浮かんだ。
『いつもとは違う行動をしてみたらいいことあるかもよ!』
「……これはいい機会かもしれない。」
たった今思い付いたことに、思わずニヤッと笑ってしまったのが自分でもわかった。
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