物語

□知らない横顔
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安倍先輩ってかっこいいよねー。

それは教室で本を読んでいた彰子の耳に突然飛込んできた言葉だった。

「…えっ」

無意識に声が出た。

確に昌浩はこの学校でかなり人気がある(本人は知らないが)。
誰に対しても失礼な態度は絶対に取らないし、人に優しくが彼のモットーだ。

いくら彰子と昌浩が幼馴染みだと言っても、クラスが違えば会話は減るし、まず学年が違う。

―ガヤガヤ

教室にいた女子生徒達がざわつきはじめた。

ねぇあれって!

やっぱそうよね?

初めて見るわ

などの囁き声が聞こえる。

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