物語

□霜月
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「ねぇこーちん」

昌浩(三歳)は誰も居ない場所に声をかけた。
するとその声に反応するように顕現した。

「どうした?昌浩」
「あのね、こーちん。こーちんは、さむくないの?」
そんな格好で。と小さな頭で精一杯見上げてくる。
首が痛くならない様に屈んで目線を下げてやる。

「確に、お前たちから見たら寒いんだろうな」

と言うと座っていた昌浩がすくっと立ち上がって部屋の奥にある唐櫃をゴソゴソとあさっている。

「はい」

昌浩には大きめの、でも大人から見れば普通サイズの袿を持って来た。

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