物語
□約束
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『約束よ。昌浩また絶対に逢いましょう』
私をまた見つけてね。
言い終わると同時に彰子は静かに息を引き取った。
彰子の顔は幸せそうに微笑んでいた。
それが彰子と交した最期の約束だった。
◇ ◇ ◇
時は平成。魑魅魍魎が都を闊歩した時代は遥か昔。
現に今ここでくかーと、寝息を立てているこの少年だって昔は、魑魅魍魎を退治しまくって居たのだが本人は全く憶えていない。
…ょ。……ぃ…しょ…。
「ん?…」
今なにか、聞こえた気がして目が覚めた。
何だろう?夢かな?
――ガラッ
「おい転校生だ。静かにしろよ」
転校生という単語に教室中がざわめく。
こんな時期に転校なんて珍しいな…。
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