物語
□誤解と嫉妬
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「勾陣ってさ、好きな人いるの?」
昌浩の唐突な質問に一瞬固まった勾陣だったが、すぐに普段通りに話だす。
「なに?」
「神将だって恋するんでしょ?朱雀と天一見たいに」
「恋はするんだろうが、アイツらみたいかどうかは分からんな」
「それは例えばだよ!」
慌てて言い返す昌浩だが、勾陣の何時もと違う表情に確信を持つ。
「勾陣は恋、してるんだね」
「なぜそう思う?」
「だって、朱雀と居る時の天一見たいに笑うんだもん」
無邪気に笑う昌浩につられ勾陣も笑う。
「そうかもしれないな」
あの綺麗な夕日色をした髪を持つ神将に。
「誰!俺の知ってる人!?」
「人と言うのはおかしくないか?相手は神将だぞ」
「あっ、そっか」
安倍邸の簀子で和やかに笑う一人の神将と一人の子供。
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