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□貴方がしてくれた約束
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――あの日の約束を貴方は覚えていますか?
この日安倍家に六合と紅蓮が居なかったので家事を天后と勾陣で分担していた。
今日の空は、すみわたる青、気持ちの良い快晴。
紅蓮に言わせるなら、「日中快晴降水率零パーセント南向き微風の洗濯日和」である。
そんな空の下、安倍家の庭では天后がせっせと洗濯物を干していた。
すべて干し終えてからふと、空を仰いだ。
「…、あ」
時を数えるのも憶測な昔。
ある一つの約束をした。
その日もこんな空だった。
不意にその日の事を思い出した。
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