書棚

□Tragia Love
1ページ/12ページ

時は18世紀、月王と言われた晴明の死去の後、朱雀とその王妃天一の政治であった。
当時、貴族と平民の身分差は大きく、重税で苦しむ平民の怒りはまさに爆発寸前だった。



スポットライトに照らされる中、臙服の軍服に身を包んだ漆黒の髪の勾陣が登場する。


「王妃様、どちらにいらっしゃるのですか?私です。勾陣です」

次の天一の登場に、会場はやんや、やんやの喝采だ。

「ここにおります。勾陣」

「どうしたのですか?この所、ふさぎこんでばかり。舞踏会には来ないのですか?それとも国王様に何か」
「いえ、陛下は相変わらず、国民を助けるための相談をしておいでですわ。
今年の日照りのせいで国民達は苛立っています。
それなのに貴族達は毎晩、舞踏会や賭け事ばかりに熱中して…。
私(わたくし)のドレス一つのためにどれほどの国民達が苦しい思いをしているかと思うとこんな王室滅びてしまった方が良いのではないかと本気で思ってしまいます」

.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ