図書

□悪戯な嘘
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それはまだ昌浩が赤子だった頃の話。

晴明の部屋には、勾陣を抱き込む様に座る紅蓮と、されるがままの勾陣。
それに背を向けて何やら書き物をしている晴明がいた。

凶将二人は何をするわけでもなく、ただ、互いを感じていた。
その時。

「なぁ、勾は俺の事好きか?」
「ん?当然だろ」

その答えに一度、抱きしめる腕に力を入れるが、すぐに放し立ち上がる。

「どうした?」
「嘘だろ」

先程までの暖かい空気はなく、変わりにピリピリした冷たい空気がある。

「どうした?紅蓮」

その声に我にかえった勾陣が続いた。

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