図書
□一息の休日
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ある日の午後。
居間で一息ついていた紅蓮の許へ紅茶を淹れた天一がやって来た。
「お疲れ様です。騰蛇」
ことりと音を立てて置かれた。
「ああ。悪いな天一」
「いいえ」
ふんわりと微笑んで、隣の椅子に腰かけた。
勾陣は天后と出かけている。
そして朱雀は晴明の命で、昌浩がする仕事の下見。
よって現在安部家には騰蛇と天一の二人だけ。
見るとなしに見ていたテレビが明日の天気予報をやっていた。
「今日、朱雀は何時に…」
「夕方には帰ると」
天一の返事に時計を見れば、午後一時を指していた。
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