図書
□ちぐはぐな思い
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真っ暗な闇。
上も下も、前も後ろも分からない中を走っていた。
何かを探すように。
けれどその『何か』が分からない。
ふと、足を止めた所で、疑問が湧いた。
自分は誰だ?
自分の事が分からない。
というか記憶というものが欠落している。
唯一あるのは何人かの面影。
だがそれら全てに影がかかっていてよく見えない。
それらが自分にとって何なのかすら分からない。
さぁとこの暗闇の空間に一条の光が差した。
自分が探している『何か』を求め、光を目指し歩きだしか。
意識が戻ったのは見知らぬ一室だった。
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