図書
□稀な遭遇
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まだ、自分が小学生だった頃の話だ。
この日親は仕事が長引いておらず、一人きりだった。
窓の外で降っている雪を眺めながら帰りを待っていた。
「積もるかな」
目に期待を含ませて外を見ていた。
「え?」
さっき、視界の隅に映った白い塊はなんだ。
ぱたぱたと玄関に向かって走る。
外に出れば自分と同じくらいの少女がいた。
「誰?」
「お前こそ」
白い少女は、訊いてきた。
「俺は騰蛇。君は?」
「勾陣」
勾陣と名乗った少女は何故、ここに居るのだろう。
「勾陣って長いから勾で良い?」
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