巻物

□直して欲しい事
1ページ/4ページ

それは街中にある風景。
誰もがそれを見、感じるが気に止める事など無いに等しい。

「あのー、ちょっと…」

と声を掛けた所で返る声は無い。

仕方ない。そう上手くいくものでもないしな。

と前方に気になる姿がある。俺がこの場に来たときから既に30分はたっている。その姿はそれより前にそこに在った。

綺麗な黒髪は肩で切り揃えられ、退屈そうに腕を組んでいる女性。突然閉じられていた瞳が此方を見た。

「っ!」

目が合った。それを認識すると同時にその女性が此方に向かって来た。

「何か用か」

声を掛けて来たのは女性の方で、その声は女性にしては低くいがこの人にはぴったりだった。

.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ