巻物

□争奪戦
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それは何時もの様に屋根に上がっていた時だった。

最近は騰蛇を待つ場所になった屋根の上で、珍しいヤツに会った。

「青龍か…珍しいな」

そう。青龍が居たのだ。

声を掛ければ、今まで空を眺めていた視線を此方に向ける。

「晴明の所に居なくていいのか?」
「…今は玄武達がいる」
「そうか。なら私は降りている」

私が居ては迷惑だろうと思ったが、予想外な答えが返って来た。

「別に降りる必要は無い」
「だが…」
「俺は必要性を感じない」

淡々と返される言葉に少し戸惑いを感じる。

が、降りなくて良いと言われれば、降りる必要は無いので屋根に腰を下ろす。

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