書物
□ふたたび
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ある日、3年1組の教室に転校生がやって来た。
「風音ー」
親しげに声を掛けるのは、もちろん廉也だ。
「どうしたの?廉也」
「上手く行ってる?」
からかう様に問う。
「もうっ…」
プッと頬を膨らませる。
そんな彼女の行動は可愛らしい。
「…廉也」
いつの間に居たのか、六合が後ろから声を掛けた。
「なに?どうかした?」
六合の身長上どうしても見上げなければいけない。
「風音を昌浩達の所に連れて行ってやれ。知らないからな」
「良いの?俺で?」
挑発する様に聞く。
「俺が行くわけにもイカンだろ」
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