書物
□それは突然
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それは本当に些細な始まりだった。
3日前の喧嘩が原因で……。
『勾!お前が悪いんだろ!』
『はぁ?!何の事だ』
『知らばっくれるな!』
『…もう良い!勝手にしろ』
そう言い飛び出した先は道路。
―ドンッ
『勾!』
騰蛇の引きつった声が遠くに聞こえる。
そのまま意識を失った。
◇ ◇ ◇
「…勾、…」
3日前、意識を失ってから目を開かない。
時折晴明や昌浩も来るが騰蛇は一回も帰っていない。
俺のせいだから、せめて目を覚ました時に一番に謝りたい。
「…ん、…?」
「っ!勾目覚めたか?」
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