書物

□吹雪
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ちょうど太陰がスキーに行きたいと言い出したのと彰子が安倍家を誘ったのは同じ頃だった。


「うわー、綺麗」

藤原さんの別荘に着き窓から外を見渡せば一面銀世界。

スキーにやって来たのは、言い出しっぺの太陰に玄武、昌浩と彰子。騰蛇と勾陣、天后に誘われた青龍。まぁ最後まで渋ったが…。

あっちを滑ろうとかこっちに行こう等の会話がされるなか勾陣は誰も誘わず一人で一番高い所まで登って行った。


そこから滑るには相当な勇気が必要かと思われるが、勾陣にはまったく必要無いのだ。

そのまま戸惑いなく滑り始める。


「(あいつは何処に居るのだ?)」

と思うのに、探さないところが勾陣らしい。


滑りながら他事を考えられるのは偏にかなり上手いと云える。

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