物語
□霜月
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「きて。こーちんかぜひいちゃう」
心配そうに寄ってくる昌浩に勾陣は仕方なく、でもその心遣いが嬉しくて、袿を受け取る。
「ありがとう。着させてもらうよ」
「これでこーちんかぜひかないね」
ニッコリ笑う昌浩に釣られて笑う。
「袿を着るのは初めてだな」
「そーなの?」
「ああ」
袿を着た勾陣を見て昌浩は、こーちんきれいだね。と笑って居た。
◇ ◇ ◇
そして今。
昌浩も14になり、立派に陰陽寮に通っている。
そんな物忌みのある日。
「ねぇ勾陣。寒くないの?」
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