物語

□霜月
2ページ/4ページ

「きて。こーちんかぜひいちゃう」

心配そうに寄ってくる昌浩に勾陣は仕方なく、でもその心遣いが嬉しくて、袿を受け取る。

「ありがとう。着させてもらうよ」
「これでこーちんかぜひかないね」

ニッコリ笑う昌浩に釣られて笑う。

「袿を着るのは初めてだな」
「そーなの?」
「ああ」

袿を着た勾陣を見て昌浩は、こーちんきれいだね。と笑って居た。

◇ ◇ ◇

そして今。
昌浩も14になり、立派に陰陽寮に通っている。

そんな物忌みのある日。

「ねぇ勾陣。寒くないの?」

.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ